
高知県にある土佐CCで開幕した国内女子ツアー第2戦「ヨコハマタイヤPRGRレディスカップ」初日。強風と硬いグリーンに多くの選手たちが苦しみ、アンダーパーをマークしたのはわずかに6人という状況の中、23歳の藤本麻子が3アンダーで首位に並んだ。
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2番(パー3)で10メートルのバーディパットを沈めて勢いに乗った。その後は11番までにさらに3バーディを積み上げて、ボギーは13番の1つだけ。「パッティングがうまくいった」。一方で「まだショットの距離感が合っていない」。コースはアップダウンがあり、フェアウェイにも傾斜が掛かる。平らなライとは違った微調整が、強風の中で求められている。
4歳からスキーを始め、モーグル選手を目指していたという藤本は、「今でも冬はゴルフよりもスキーをしている方が好き」というウィンタースポーツファン。今オフには家族で北海道旅行に行き、数年ぶりのパウダースノーも満喫した。その後のソチ五輪では、浅田真央に感動した。「あの状況で自分の力をすべて出し切るのはスポーツ選手として尊敬できる。すごいとしかいいようがない」。もちろん、自身の“オリンピック出場”への情熱も「強いです」。
昨年の今大会でも初日「66」で単独首位発進をしたが、2日目以降は「72」「76」と尻すぼみで31位タイに終わっている。課題だったメンタル面の弱さは、開き直ることで克服の兆しも掴んだ。「“自分は弱い”と思ったら、気楽にプレー出来るようになりました」。
強さと弱さ。精神面をコントロールできるようになったのは、プロ6年目の成長か。2011年の「伊藤園レディス」以来となるツアー2勝目へ、昨年と同じ失敗は繰り返せない。(高知県香南市/今岡涼太)
政府は、新型万能細胞「STAP(スタップ)細胞」の論文を発表した小保方(おぼかた)晴子・研究ユニットリーダーが所属する理化学研究所の改革を、安倍晋三政権が重視する6月の新成長戦略の一環と位置付けていた。だが、今回の事態を受けて、理研を軸に描いていた技術立国構想は出はなをくじかれる形となり、第3の矢の成長戦略にも影を落としそうだ。
政府の総合科学技術会議(議長・安倍首相)は12日、世界最高水準の研究を目指す新設の「特定国立研究開発法人」(仮称)の対象候補を、理研と産業技術総合研究所に決めた。だが、正式な決定は見送られた。政府関係者によると、論文の疑惑が浮上する前は、同日の会議で正式決定の運びだったという。
小保方氏がSTAP細胞の存在を発表すると、政府は世界的なニュースとして歓喜した。首相は1月31日の衆院予算委員会で「若き研究者の小保方さんが柔軟な発想で世界を驚かせる万能細胞を作り出した」と称賛。下村博文文部科学相は同日の記者会見で「将来的に革新的な再生医療の実現につながりうる」と述べ、理研をはじめ基礎研究分野への予算配分強化の方針を打ち出した。
14日、菅義偉官房長官は記者会見で「理研は国民に一日も早く結果を示す必要がある」と述べるにとどめ、理研の対応を見守る方針だ。山本一太科学技術担当相は記者会見で「関心を払わずにはいられない。しっかり意見も言っていかなければいけない」と指摘した。
政府としては、新成長戦略の当てが外れることになりかねないばかりか、論文に故意の不正があったと判断されれば、組織体制をただすなど理研に厳しい対応を取らざるを得ない場面も想定される。
介護ロボットの開発に向けた産学連携や異業種間提携が活発化している。大学や企業がそれぞれ独自の技術やノウハウを持ち寄り、事業化のペースを速めることで先行者利益を狙う。介護ロボ市場は立ち上がったばかりだが、急速な高齢化を背景に2020年度には350億円市場に成長するとみられており、競争は白熱しそうだ。
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東京理科大学は金型メーカーの菊池製作所と組んで、同大学発のベンチャー「イノフィス」を設立した。工学部の小林宏教授による研究成果「マッスルスーツ」の製品化を目指す。
このスーツは着用者の背筋力をサポート。とくに腰への負担を軽減し、介護現場だけでなく物流や工場など重量物の上げ下ろしを楽に行えるようになる。小林教授は「これだけ力を発揮でき、あらゆる領域で使用できるスーツはない。高齢者が自立した暮らしを行えるようにし、精神的な負担からの解放につなげていきたい」と意欲を示す。
実はこの計画には当初、大手メーカーが参加予定だったが、撤退した。2012年度の介護ロボットの出荷額はわずか1億7000万円。この大手メーカーは事業化リスクが大きいと判断した。
これに対し、菊池製作所は「小さな会社でも、自社製品を武器に新たなマーケットを構築できる」(菊池功社長)と見て、生産を行うことにした。30万~50万円の価格で製品化し、16年度に5000台の販売を目指す。同社は福島県飯舘村に工場があるが、同県南相馬市にも新工場を建設し、量産体制を整えることも視野に入れる。
◆高齢化社会向け住宅
大学発の介護ロボ事業では、筑波大学大学院教授でロボットベンチャー、サイバーダイン(茨城県つくば市)社長の山海嘉之氏が開発したロボットスーツ「HAL」も注目を浴びている。介護住宅や介護ロボ事業に積極的な大和ハウス工業がHALの販売やリース、レンタルを担っている。サイバーダインは今月26日に東証マザーズに上場し、約30億円を調達。事業拡大を加速する計画だ。
一方、大和ハウス同様、介護住宅に力を入れている積水ハウスも医療機器などの制御システムメーカー、マッスル(大阪市中央区)と提携した。ロボットと要介護者の間に人を介在させることで、人のぬくもりがある介護を実現できるロボット技術の実用化を目指す。石井正義・総合住宅研究所長は「良い季節には寝たきりの人を外に連れ出せるようにするなど、ロボット技術を活用すれば住宅がどのように変わっていくのかを検証し、高齢化社会向けの住まいの提案に力を入れる」と語る。
また、介護大手のツクイは国立長寿医療研究センターと組み、ホンダの歩行支援ロボットの共同研究を進めている。
◆海外展開にも弾み
こうした産学連携や異業種提携を通して製品化のスピードが増すことで、介護ロボ市場の成長ペースは加速しそうだ。矢野経済研究所によると介護ロボットの国内市場規模は、15年度に23億円に拡大。20年度には350億円に達する見通しだ。
それ以降も堅調に推移する可能性が高い。慢性的な人手不足に直面している介護現場では今後、団塊世代の高齢化により一段と介護ロボの需要が高まるためだ。介護のほか、物流や生産拠点への導入も見込まれる。
また、国際標準化機構(ISO)が新たに作った生活支援ロボットの安全規格に、日本の研究者が提案した規格が採用された。安全面で日本の技術が優位に立て、開発や普及、海外展開にも弾みがつくことになる。(伊藤俊祐)