
国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)総会の横浜開催を記念したシンポジウム「懐かしい未来へ-旭区の里山と暮らしにヒントを求めて-」が15日、旭公会堂(横浜市旭区鶴ケ峰)で開かれた。地域エコノミストの藻谷浩介さんが基調講演し、同区内にも多い里山が持つ可能性について考えた。
同区市民活動支援センター「みなくる」の主催で、区民ら約400人が参加した。
「里山資本主義」などの著書がある藻谷さんは、神奈川県と人口や経済規模が近いオーストリアを例に挙げ、「過去10年ほどで林業大国になったオーストリアは、電力の3割弱を水力や木材を利用した自然エネルギーで自給している」と紹介。その上で「自給率を高めることができれば、他国からの資源の輸入に頼らない、安定した社会になることができる」と、エネルギー転換の必要性を呼び掛けた。
また、人口減に直面する今後の日本について、「無理な経済成長を目指すよりも、水や食料、燃料を身近な里山で手に入れられるようなネットワークづくりを進める方が、資本主義の危険な部分を補う意味でも大切になる」と訴えた。
引き続き行われたパネルディスカッションでは、同区在住の環境プランナーや里山管理の計画策定を担当した同市職員らが登壇。里山との関わりや有効な活用方法などについて意見を交わした。
IPCCは、地球温暖化に関する最新の科学的知見を集約する国際組織。25日から横浜市西区のパシフィコ横浜で総会を開く。日本国内での開催は初めてで、31日には総会で承認された新しい報告書が発表される予定。