
昨秋、東名高速道路浜名湖サービスエリア(SA、浜松市北区)で社会実験が行われた遊覧船が、21日から本格運航することが決まった。SA発着の遊覧船は全国初。「3年後に150人乗りの大型遊覧船を導入する」という目標に向け、地域の期待を乗せた船が動き出した。
「観光客が通り過ぎる湖を変えたい」-。遊覧船を運航するNPO法人「浜名湖舘山寺温泉観光街づくり協議会」の窪田茂樹さん(62)は17日、浜松市役所で会見し本格運航に向けた意気込みを語る。浜名湖に隣接する舘山寺温泉地域では、宿泊者数が平成4年度の約67万人から、24年度には約43万人にまで大幅に減少。舘山寺温泉観光協会によると、背景には「バスツアーなどの団体客から、マイカーの個人客へと客層が変化した」ことがあるという。今年で10周年を迎える浜名湖花博の開幕に合わせ、団体客を呼び込みたい考えだ。
本格運航が始まる遊覧船は、土日祝日に1日20便程度の運航を予定。浜名湖SA周辺の湖上を約20分でめぐり、午前9時~午後3時ごろまで運航。料金は大人千円、小人(4歳以上小学生まで)500円で、同法人では「1日に100人程度」の乗船客を見込んでいる。昨年10~12月に行われた実験期間中には、15日間で1507人が利用。窪田さんは「これから夏場に向けて、アトラクション感覚で楽しんでもらえるのでは」と期待を込めた。
29年3月には「150人が乗れる大型遊覧船を運航する」ことが目標だが、課題となるのは浜名湖SAの駐車可能台数。中日本高速道路によると、同SAの駐車場数は上り線が大型車32台小型車210台、下り線が大型車35台小型車273台で、「海老名SAや足柄SAに次ぐ規模」。新東名高速道路の開通で利用客が分散したこともあり、実験期間中は上下線の駐車場とも満車となることはなかったが、上り線では午後1時ごろをピークにほぼ満車となる状況も確認された。
そのため、花博会場となる浜名湖ガーデンパークなどとSAを直接結ぶチャーター船の利用は団体予約客のみに限定。窪田さんは「本格運航開始後のSAの混雑状況や安全性などを検証していきたい。東京と大阪の“ど真ん中”という地理的条件を生かさない手はない」と話した。
遊覧船やチャーター船の予約・問い合わせは舘山寺温泉観光協会(電)053・487・0152。