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政治学者が贈る「幸せな人生 5つのルール」 - だっぢゅニュース

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2026.05.26|コメント(-)トラックバック(-)

政治学者が贈る「幸せな人生 5つのルール」


 大学生から社会人への過渡期は不安定な時期である。そして、大学を卒業して就職したばかりの若者ほどその不安定さを感じている人たちはいない。数年前、私は職場の若いスタッフに向けてアドバイスを勝手に書き始めた。上司に見放されるような行動を避けるにはどうしたらいいかをテーマに、「『like(~みたいな)』を話し言葉から排除せよ」などというタイトルでアドバイスを書きつづった。

 しかし、私はいつの間にか、良い人生を送るにはどうしたらいいのか、という深い問いにはまり込んでしまった。当時、私は「深く永続的な充実感のある人生についてよく言われることの多くは正しい」という現実に取り組まなければならなかった。どう表現したら若い世代に新鮮に響くのだろう。私の努力の成果をご覧いただきたい。


1. 早い結婚を考えよ


 この数十年間、大卒者の結婚年齢は上がり続けている。この変化は良いことだ。おかげで多くの22歳の若者が不幸な結婚から救われている。22歳の若者は結婚なんてまだ考えられないと思いながら恋愛を始めるからである。

 だが、25歳になっても結婚は問題外だと思うべきなのだろうか。27歳ではどうだろう。20代の結婚を事前に決めておいたほうがいいと言うつもりはない。自分にふさわしい相手が現れるまで結婚は待つべきだ。私が言いたいのは、結婚の可能性を排除すべきではないということだ。結婚を30代まで待てばあなたの結婚は「合併型」に、20代のうちに結婚すれば「新興企業型」になる可能性が高い。

 合併型の結婚とは、ニューヨークタイムズ日曜版の結婚式特集に出てきそうな結婚、すなわち、成功に向けて突き進む30代高学歴カップルの結婚である。合併型の結婚はさまざまな理由で支持されている。新郎も新婦も落ち着いているし、つり合いが取れなくなる可能性も低い。結婚10年目になって、失った青春を取り戻さなければとあせることもなさそうだ。

 新興企業型の結婚では、パートナーの成功がまだ保証されていない。建築学の学位を持つ新郎が設計しているのはまだ階段の吹き抜けで、花嫁は医学部の3年生になったばかり、というようなカップルである。貧しい生活を送らなくていい程度の収入はあるが、生活を切り詰める必要がある。

 新興企業型の結婚にはどんな利点があるだろうか。1つに、まだどんな人生になるかもわからないときに共に過ごした記憶を共有できるということがある。

 さらに重要なのは、あなたが配偶者とともに人生を歩んできたということだ。そして、相手がいなければ今の自分にはなっていなかったことがわかるだろう。

 合併型の結婚の多くは幸福な結婚である。しかし、「1+1=2以上」になる関係はおそらく新興企業型の結婚に多い。


2. 運命の人を見極める方法を学べ


 結婚についてよく言われる言葉を紹介しよう。

 趣味や好みが似ている人と結婚せよ。ここで言う趣味や好みとは、日々の生活に影響を及ぼす趣味や好みのことである。

 自分はバレエが好きだが、配偶者はそうでもない、というのは構わない。分別のある人たちはそのような違いを受け入れることができる。しかし、一方がもう一方の友人を嫌っていたり、お互いのユーモアのセンスがわからなかったり、特に倫理観に差がある場合は、関係を解消して別の相手を見つけるべきだ。

 あなたが手に入れるのは見たままのものである。結婚してもいいと思っている相手に気になるところがあって、それでも結婚後に変えられると思っているなら、それは間違いだ。気になるものが何であれ、それと共に暮らす覚悟が必要だ。そうでなければやめておいたほうがいい。結婚生活の間に配偶者は間違いなく変わるが、それを予想したりコントロールしたりすることはできない。

 配偶者に心から好意を抱いている、というのも間違いなく重要だ。素晴らしい結婚生活を送っている人たちは常に「親友と結婚した」と言うが、彼らは文字通り、親友と結婚しているのだ。「運命の人」とは言ってみれば、「あなたの親友であり、あなたが性的にも魅力を感じている人」のことである。

 運命の人を探すときに気をつけるべきことは2つ。あなたは相手の弱点を突くことがあるだろうか。好きなものが同じで、一緒にいるのが楽しくて、セックスの相性がよくても、一方がもう一方を支配したり、意見の違いを許さなかったり、相手が傷つくことをわざと言ったりするのであれば、別れたほうがいい。

 もう一つ気をつけるべきは激しい恋愛である。思春期はとっくに終わっているのに思春期の若者のように振る舞っていたらそれは大恋愛の真っ最中ということだ。しかし、心配は無用。少なくとも1度は誰もが激しい恋愛を経験すべきだ。ただ、衝動に駆られて行動してはいけない。

 良い結婚は人生で起こりうる最良の出来事である。結婚にはマイナス面もあるが、良い結婚から得られることに比べれば何でもないことだ。


3. 富と名誉についてくよくよするのをやめよ。ただし今すぐである必要はない


 私はあなたが野心的な人間だと思っている。富と名声のいずれか、またはその両方を望んでおり、これから20年、30年にわたってその夢を追いかけることにありったけのエネルギーを注ごうとしているのではないか。それは当然だ。幸運を祈っている。

 が、あなたが40歳になったとしよう。仕事は楽しく、運命の人にも出会った。素晴らしい子どももいる。そして、おそらく金持ちにも有名にもなれない現実を受け入れている。そのときは、若き日の野心を大人の知性で埋め合わせることが大切である。

 何年も前のことだが、エンターテインメント業界のプロデューサーで大富豪のデービッド・ゲフェン氏の特集をテレビで見た。ゲフェン氏は「金で幸せが買えると思っている人間がいたら会わせてくれ。そうすれば、大金を持ったことがない人間に会わせてやる」と言った。なんとも言えない悲しげな笑顔を浮かべていた。  プライベートジェットの後ろの座席にゲフェン氏がたった一人で座っていたシーンが忘れられない。

 20代や30代で直面するのは自分が成功できないのではないかという不安だ。これは野心を持った以上、避けられない副作用である。ゲフィン氏について私が話したことも今は役に立たないだろう。20年経ったらまた思い出してほしい。

 富と名誉は野心不安症を癒すことができる。しかし、それだけのことだ。


4. 宗教について真剣に考えよ


 既に宗教と十分な関わりがあれば、この項目は読む必要はない。

 あなた方の多くは宗教が自分には不要だと思っている。他人が敬虔な信者であっても気にならないが、あなたは信じない。今どきの賢い人たちはそんなものは信じないのだ。

 宗教はいらないと多くの人が考えるのは、大学教育を受けた知能指数の高い若者(50年前の私の世代もそうだった)が宗教と関わりを持たないように教育されたからだろう。それより前の時代の若者が信仰心を持つように教育されたのと同じことだ。今の世代には、信仰心を持たない両親に育てられ、宗教について考えたことがない人もいれば、子どもの頃は親と同じ宗教を信仰していたが、大学で教育され、宗教を捨てた人もいる。

 教育されたと言っても、あなたがトマス・アクィナスは間違っていると力説する教授の下で神学を研究したという意味ではない。尊敬する教授の中に誰一人として信心深い人がいなかったということである。あなたは時代の波に乗ったのだ。

 私がハーバードの学生だった頃から40代後半までの間、どうやって宗教と付き合ってきたかを話そう。当時、妻は初めての出産を機にクエーカー教の教えに心の安らぎを見出し、集会に通うようになってから数年が経っていた。私も妻に付き添って通い始め、宗教に関する書物を読んだ。私は今でも不可知論者を名乗っているが、宗教を信仰しないという信念は揺らぎつつある。

 宗教について考えるとは勉強するということだ。ビーチに腰を下ろし、夕日を見ながら啓示を待っても、偉大な宗教の知恵を授かることはできない。法律の学位を取得するのと同じくらいの知的な努力が必要である。

 まずは分別なく唱えていた無神論や不可知論を疑ってみよう。お勧めは現代宇宙論に関する本を読むことだ。宇宙は想像以上に不思議であり得ないところである。宇宙最後の謎の発見には程遠い。現代宇宙論について読んでも宗教を信じるようにはならないだろうが、無分別はやめられるかもしれない。

 信仰心が厚い人たちと付き合う方法を見つけよう。賢明な無神論者の友人と同じくらい知性や判断力、批判力に優れていて、なおかつ、さまざまな教義を超えた根本的な事実の存在に確信を持つ人たちと出会うことができるだろう。

 宗教に関する文献を読むことから始めよう。アクィナスまで遡る必要はない(しかし、それも悪くないだろう)。過去数百年の間に素晴らしくかつ読みやすい作品がこの世に送り出されている。その多くはあなたと同じように宗教に関わらずに大人になった人によって書かれたものだ。


5. 映画「Groundhog Day(邦題:恋はデジャ・ブ)」を繰り返し鑑賞せよ


 20年以上前の映画だが、今見ても気が利いていて面白い。道徳と幸福という最も根源的な問題を扱う素晴らしい物語でもある。

 ビル・マーレイ演じる自己中心的なテレビの気象予報士がグラウンドホッグデー(訳注:春が来たかどうかを占うお祭りのこと。2月2日に行われる)の取材にペンシルバニア州パンクスタウニーを訪れる。気象予報士はこの仕事が気に入らず、町も住民も軽蔑する。ピッツバーグに帰りたくてたまらないのだが、吹雪に見舞われ、町にとどまることに。翌朝目が覚めると、またもやグラウンドホッグデーだった。翌日もその翌日も…。

 監督で脚本の共著者ハロルド・ライミス氏(先月死去した。多くのファンがその死を悼んだ)によると、映画の中でグラウンドホッグデーが少なくとも30年から40年は続いたようだが、私たちが見るのはそのうちの数十日にすぎない。主人公が幸福の秘密を見つけたところで映画は終わる。

 主人公が全てを理解して、その日だけの仕事からさえも深い充実感を経験できるようになるまでの紆余曲折が描かれているのだが、説教じみたところは一切ない。

 アリストテレスの「倫理学」を丹念に研究しても同じ真実が学べるが、この映画を繰り返し見るほうがはるかに楽しい。

 (このエッセイは4月8日刊行予定のマレー氏の新著「The Curmudgeon's Guide to Getting Ahead: Dos and Don'ts of Right Behavior, Tough Thinking, Clear Writing, and Living a Good Life(気難し屋の出世ガイド:正しい行動、タフな思考、明快な文章、良い人生について、すべきこと、すべきでないこと)」に基づく。出版社はランダムハウス。マレー氏はアメリカン・エンタープライズ研究所のW・H・ブレイディ・スカラー)

CHARLES MURRAY

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2014.04.02|コメント(-)トラックバック(-)
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