
チャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦セカンドレグが11日に行われ、バイエルンとFW宮市亮の所属するアーセナルが対戦。宮市はCL登録外のため欠場した。
アーセナルのホームで行われたファーストレグは2-0でバイエルンが勝利。大会連覇を目指すバイエルンがアドバンテージを持って、ホームに戻っての一戦となった。
試合はバイエルンがボールを支配する展開に。20分、左サイドからのクロスがファーサイドまで流れたところにアルイェン・ロッベンが合わせたが、シュートは枠の上へ外れた。26分には右サイドで得たFKからハビ・マルティネスがヘディングシュートでネットを揺らしたが、オフサイドで得点にはならず。サイド攻撃を中心にアーセナルゴールに迫るバイエルンは、44分に左サイドからのクロスのこぼれ球を拾ったマリオ・ゲッツェがボレーシュートをするが、GKの手に収まった。
劣勢のアーセナルはハーフタイムにメスト・エジルを下げ、トマーシュ・ロシツキーを投入。試合が動いたのは55分、左サイドからフランク・リベリーがペナルティエリア内に侵入すると、グラウンダーのパスをフリーで受けたバスティアン・シュヴァインシュタイガーが落ち着いて決めて、バイエルンが先制する。
直後の57分、ペナルティエリア内左の角度のない位置からルーカス・ポドルスキが決め、アーセナルがすぐさま同点とする。69分にバイエルンにチャンス。左サイドからのクロスをエリア内右でチアゴ・アルカンタラがダイレクトの横パスを選択。マリオ・マンジュキッチはフリーだったが、トラップが流れ、シュートを打てなかった。
バイエルンはその後もボールを支配。アディショナルタイムにPKのチャンスが訪れたがトーマス・ミュラーのシュートはGKウカシュ・ファビアンスキがストップ。バイエルンは勝ち越すことはできなかったが、1-1の引き分けで試合を終え、2戦1勝1分で準々決勝進出を決めた。
SOCCER KING
サッカー女子の国際親善大会「アルガルベ・カップ」は10日、ポルトガルのファロなどで1次リーグ最終戦が行われ、日本代表「なでしこジャパン」(FIFAランキング3位)はスウェーデン(同6位)に2-1で逆転勝ちし、2勝1分けの勝ち点7でB組1位となり、2年ぶりの決勝進出を果たした。12日午後2時10分(日本時間同11時10分)からの決勝で初制覇を懸け、A組1位のドイツと対戦する。
強豪スウェーデンに対し、司令塔の宮間(岡山湯郷)や大黒柱の澤(INAC神戸)らベストの布陣で臨んだ一戦。なでしこジャパンが劣勢をはねかえし、土壇場で勝利をつかんだ。
前半42分に不用意な反則を犯してFKから先制された。前線からプレッシャーをかけ、世界屈指のFWシェリンにほとんどボールを通させず、主導権を握りながら、ワンチャンスをものにされた。それでも、最後はワールドカップ(W杯)王者の底力を見せた。
後半4分に大儀見(チェルシー)が相手のバックパスを奪って今大会初ゴール。大儀見の歴代2位となる代表通算48得点目で同点に追い付くと、今大会初出場のGK海堀(INAC神戸)が好セーブを連発。44分に相手のハンドで得たPKを宮間が冷静に決めた。「嫌な時間に失点したが、負ける気はしなかった」と大儀見。宮間は「重圧はあったが、みんなの思いを込めて蹴った」と話した。
昨年大会は宮間、澤を招集せず、若手中心で臨み、1次リーグで1勝2敗に終わったが、今回はベテランを軸にしたメンバーが組織力を発揮。 佐々木監督も「この選手たちは勝負の嗅覚があるし、流れを読むところが体に染み込んでいる」と評価した。
決勝で当たるドイツは2年前に敗れた相手。宮間は「勝って(W杯女王の)面目を保ちたい」と気合十分に話した。
■厳格な指導者 後退許さず
「口より先に手」という昔かたぎの父親は、厳格な指導者でもあった。吉田栄勝さんが津市の自宅に、20畳足らずの手狭なレスリング道場を構えたのは28年ほど前。当時3歳の長女、沙保里に行った手ほどきは過酷の極みといえた。
「ここ(道場)で教えたのは基本だけ」
吉田の生い立ちを聞かれる度に栄勝さんは笑っていたが、3歩下がれば他の道場生に足を踏まれ、5歩下がれば父の竹刀が背中を打った。的をめがけて一直線に飛び込む神速のタックルは、後退を許さない父と教えを守った娘との労作だ。
専大時代は実力者として名をはせた。1976年モントリオール五輪は国内予選で攻めあぐね敗退。のちに娘を「霊長類最強女子」へと導くタックルの背骨には、「あのとき前に出ていれば」という自身の悔恨がある。
女子レスリングが五輪種目でなかった時代、1度の遠征で数十万円を持ち出しながらも監督を買って出た硬骨漢。中学生から幼稚園児まで受け入れる自宅の「教室」からは、2010年アジア大会銀メダルの小田裕之ら有為な若手を何人も世に出した。それでいて、道場生からの謝礼は一切受け取らなかったという。
12年9月に吉田がアレクサンドル・カレリン(ロシア)を超える世界大会13連覇を果たした際、栄勝さんは神妙だった。「カレリンは僕らの時代の偉材。超えたという気分になれない。五輪で4連覇したら(吉田を)すごいと認めてもいい」。ロンドン五輪で3連覇した吉田に肩車され、しきりに照れていた武骨な父親。酒が入ると軽妙洒脱(しゃだつ)にレスリングを語った伯楽。夢は16年リオデジャネイロ五輪、20年東京五輪に続くはずだった。(森田景史)