
ねとらぼ読者のみなさん、こんにちは。虚構新聞の社主UKです。
2004年に開設した本紙サイトもおかげさまで今月1日に10周年を迎えました。単なる一個人サイトであった本紙がここまで続けてこられたのも、多くの読者のみなさんからの支えがあってこそのものです。この場をお借りして改めて感謝申し上げます。今後とも本紙をよろしくお願いいたします。
さて、今回取り上げるのは鈴木小波(さなみ)先生の短編集「出落ちガール」。掲載誌は「ヤングキングアワーズ」(少年画報社)。同誌からのピックアップは本連載第2回の「僕らはみんな河合荘」(宮原るり/1~5巻、以下続刊)以来です。そう言えば、「河合荘」は今月からアニメが放送されますね。アニメを視聴する参考になるかもしれませんので、ご興味あればこちらもご覧ください。社主は真弓さんにもてあそばれたい今日この頃です。
本作「出落ちガール」ですが、まずはこの「出落ち」という言葉について少しだけ。分かっていそうで実はなかなかはっきりと説明しにくいこの言葉、簡単に言えば「出だしのインパクトが強い」という感じでしょうか。ただ、お笑いで「出落ち」と言われるのは、最初がオチになってしまって、それ以降笑える部分がない状態を指すことが多いので、必ずしも良い意味とは限りません。本紙でも以前「現代のベートーベン、佐村河内守さん、ヒロシマ語る」という記事を掲載しましたが、これなどはまさに写真オンリーの出落ち記事です。
本作に収録されている出落ちな短編は全部で7本。まずはこの中から特に社主お気に入りの3本を軽くご紹介します。
・脱エバ!
タイトルは三途の川の渡し賃・六文銭を持たない亡者の衣服を剥ぎ取る老婆「脱衣婆(だつえば)」から。どんなお話かと言うと、川のほとりで若い武士の主人公と、エバと名乗る女の子が野球拳をしながらどんどん服を脱いでいくという……って、それ出落ち! あっ、そうでした、このマンガはそういう短編集でした。
・クーパー伊東さん
身長130センチ、あだ名は「チビ太」。少年・太海草太がつまづいたミニクーパーのミニカーの中から現れた黒タイツ一丁、身長10センチの女の子。草太がつけた名前は「クーパー伊東」。確かに登場第一声は「はい~~~~」だし、黒タイツだし、ミニクーパーから出てきたし……って、それ出落ち、出落ちですよ! そうでした、このマンガはそういう短編集でした。
・ヒトミとゴクー
山の主・ゴクーの怒りを鎮めるため、村人がいけにえとして差し出した娘・ヒトミ。涙が真珠に代わるという不思議な力がヒトミにあると知ったゴクーは、彼女を襲って泣かせようとするものの、全く泣かない。そこでゴクーは作戦を変えて、ワサビたっぷりの寿司を食べさせたり、部屋の中で煙を炊いたり、ねこをたくさん部屋に招き入れたり四苦八苦。もちろんタイトルの由来は「人身御供」からですね。というか、先にそのタイトルがあって、このストーリーですよね、うんうんなるほどなるほど……って、やっぱり出落ち!
●出落ち、だけじゃないんだな、これが
普段ノリツッコミなどしたことがないので、大変お見苦しい紹介になったことをお詫び申し上げます。とまれ、こんなふうに本作は全てこんな出落ち、あるいは「そのままじゃないか!」とツッコまずにはいられない短編ばかりが収まっています。
それではもうこの数行の紹介文さえ読んでしまえば事足りるのか、最初の数ページだけ読んで「それ出落ち!」とツッコんで本を閉じてしまえばいいのかと言うと、そんなはずはありません。そんな安直なマンガを本連載で取り上げるはずがありません。
本作はタイトルこそ「出落ちガール」ではありますが、収録作全てにおいて最大の見どころは何よりそのオチなのです。一見冒頭で出落ち作品と見せかけておきながら、実のところ、その最後の落としどころまでのストーリー展開がどの作品も大変すばらしい。まさに「お見事!」と言うほかありません。
ふざけた野球拳から始まったはずの「脱エバ!」には心温まるエンディングが、「クーパー伊東さん」にはSFのような奇想天外なエンディングが、「ヒトミとゴクー」にはまるでおとぎ話のようなエンディングが――、いずれの短編にもそれぞれ異なる多彩な結末が用意されていて、まさに短編集のお手本とでも言うべき秀作ぞろいです。最初に少し触れたように、「以後楽しめるところがない」という意味での「出落ち」でないのです。むしろそこから先こそを本当に読んでほしい。そう言わずにはいられません。
●画風も見どころですよー
また本作もう1点の見どころは、鈴木小波先生の個性的な画風です。コミカライズ作品「ブラック★ロックシューター イノセントソウル」(全3巻/KADOKAWA)のころから、その独特のタッチと画力の高さに定評ある鈴木先生ですが、「クーパー伊東さん」に見られるようなコマ表現や、「ヒトミとゴクー」「万引きGガール」に登場する人外キャラの造形など、ストーリー以外にも見どころはたくさん。
いろいろなジャンルの集合体「短編集」という形態で、その短編どれもにこの画風がマッチしていることを考えると、今後熱血、リリカル、コミカル、いろんな方向での連載がありえそう。そういう意味ではこれからの鈴木先生の活躍に注目しています(ちなみに既刊「ホクサイと飯」(全1巻/KADOKAWA)は、マンガ家の日常と飯作りを主軸に据えた半自伝的(?)フィクションという、これまたユニークな作品です)。
●高度に発達した出落ちマンガは秀逸な一般マンガと見分けがつかない
さて、最後に少しだけ最近のマンガにおける「出落ち」について。
ここ4、5年マンガ界全体においてもこの種の出落ちマンガが1つのトレンドになっているような気がします。例えば現代に降臨したイエスとブッダの日常を描いた大ヒット作品「聖☆おにいさん」(中村光/~9巻、以下続刊)などはすでにこの設定が出落ちですし、何事にもクールな高校生・坂本のキャラが話題を呼んだ「坂本ですが?」(佐野菜見/~2巻、以下続刊)もその1つでしょう。少女マンガでも「俺物語!!」(河原和音・アルコ/~5巻、以下続刊)は表紙のインパクトですでに出落ち感が漂っていました。
「最初はいいとして、長く続けていけるんだろうか……?」と余計な心配をしてしまいそうなこれら出落ちマンガですが、実際「聖☆おにいさん」がこれほど続いていることを考えると、かの名言「高度に発達した出落ちマンガは秀逸な一般マンガと見分けがつかない」かもしれません(←今考えた)。出落ちマンガは扱い方こそ難しいものの、まだまだ未知の可能性を秘めていそうです。
記事を執筆するとき、その扱いにくさから出落ちを敬遠している社主としては、鈴木先生のような起承転結の「起」と「結」の両方で読者をうならせることのできる記事を書きたいと願うところでもあります。本紙次の10年に向けてぜひその発想の秘訣を鈴木先生からご教授願いたいと思いつつ、これにて筆を置きます。
今回も最後までお読みくださりありがとうございました。
AmazonのFire TVは、初めての‘燃えるように熱い’ストリーミングボックスではない。つまり、その意味は…。フロリダの某社が、ビデオのストリーミングをTVで見るためのボックスFyreTVを発売したのが2008年で、その後継機は2009年に出た。本誌もそれを記事にして、ポルノ専用なのは残念だが、なかなかよくできてる製品だ、と評した。
FyreTVは今でも健在だから、Amazonにとっては厄介かもしれない: FireTV.com(←職場では絶対にクリックしてはいけない)は、ユーザをAmazonのページではなく、確実に家族指向ではない場所へ連れていく。
FyreTVがポルノ専用のストリーミングボックスとしてデビューしたのは、まだビデオストリーミングの初期の時代だ。2008年から2009年の初めにかけては、Netflix はまだRokuとパートナーしてよちよち歩きだったし、Vuduがなんとか地歩を築こうとがむばっていた。でも本誌の記事で筆者のDougが書いているように、そんな暗黒時代でも、ポルノのストリーミングはすでに元気活発だった。
Amazonにとっては好都合なことに、Fire TVには子どもを守るためのSEOが実装されているのでFyreTVは見られない。でも、ネット上のビデオストリーミングを新しい娯楽として一般大衆に提供する先鞭を切った、という意味ではFyreさんの功績を認めよう。
(翻訳:iwatani)
●Bluetooth搭載のフルアナログウオッチ「EDIFICE」コンセプトモデル
スイスのバーゼルで開催されたウオッチ&ジュエリーの祭典「BASELWORLD 2014」。世界初のGPS電波時計機能を備えたG-SHOCKなどをお伝えした前編に引き続き、後編ではBluetoothを搭載したフルアナログのコンセプトモデルを発表したEDIFICEをはじめ、OCEANUS、SHEENの展示をご紹介する(記事中の写真はサムネイルのクリックで拡大表示)。
【もっとほかの写真をみる】
【レポート】BASELWORLD 2014 - カシオブース(前編)、「時の同期」をテーマに2つのコンセプトモデルを公開
○よりやさしい"時計との付き合い方"を提案「EDIFICE」
カシオのアナログウオッチとして初めて、Bluetooth V4.0(Bluetooth Low Energy Wireless Technology)に対応したコンセプトモデルが「EQB-500」だ。カシオのBluetoothウオッチといえば、G-SHOCKの「GB-5600」や「GB-6900」が思い浮かぶ。しかし、フルアナログのEQB-500は、これら既出のモデルとはやや趣を異にするようだ。
スマートフォン(専用アプリ)と連携して機能を実現するという点では共通ながら、Bluetooth対応G-SHOCKでは電話やメールの着信通知やカレンダー通知、ミュージックプレイヤーコントロールといった「スマホ側の機能を時計がアシストする」点をアピールしていた。
これに対してEQB-500は、スマホ側のアプリで時刻情報の取得や調整ができたり、地図や都市リストの画面から詳細なワールドタイムを簡単に設定できたりするといった「時計側の機能をスマホ(アプリ)がアシストする」方向に軸足を置いているように感じた。そのほか、EDIFICEらしく、モータースポーツとストップウオッチ機能に関係するアプリも開発中とのこと。EQB-500の発売時期や価格は未定だが、1日も早い製品化発表の報を待ちたい。
■【レポート】BASELWORLD 2014 - カシオ「EDIFICE」コンセプトモデル続報、写真で見るBluetooth搭載のアナログウオッチ「EQB-500」
■BASELWORLD 2014 - カシオの「EDIFICE」コンセプトモデル、Bluetooth搭載でスマホ連携する初のアナログモデル
インフィニティ・レッドブル・レーシング(Infiniti Red Bull Racing =IRBR)・タイアップモデル「EFR-534RB」と「EFR-537RBK」も展示されていた。どちらも、レッドブルレーシングのロゴとブルーIP処理したベゼルが誇らしく、その存在感を示す。
EFR-534RBはダイヤル全体を明るく照らすスーパーイルミネーター、ケースとバンドにブラックIPを施したEFR-537RBKは、ブラックライトに反応して文字板などがカラフルに光るネオンイルミネーターを搭載する。どちらも4月発売予定。価格は、EFR-534RBが20,000円(税別)、EFR-537RBKが29,000円(税別)。
このほか、今回発表された方位・温度計付きの多機能クロノグラフ「ERA-300」など、日本国内では店頭に並ばない(発売予定がない)モデルも数多く展示されていた。
●バーゼルスペシャル「OCEANUS」、海外向けモデルが面白い「SHEEN」
○ブラック×ピンクゴールドのバーゼルスペシャルモデルが目を引く「OCEANUS」
メタルウオッチのOCEANUSは、プレミアムライン「Manta」の最新作「OCW-S3000」を中心に、人気のクラシックライン「OCW-T2500」、新登場の3針モデル「OCW-T150」などをディスプレイ。また、すでに詳報をお伝えしているプレミアムライン「Manta」のバーゼルスペシャルモデル「OCW-S3051S」も大きな注目を集めていた。
OCW-S3051Sは、OCW-S3000をベースに、漆黒の闇を連想させるブラックフェイスと、ビル街から溢れ出す光を連想させるピンクゴールドを採用。随所にちりばめたオシアナスブルーと相まって、光り輝く都会の夜の煌めきを感じさせる。16面にカットしたスペシャルなセラミックベゼルも美しい。世界限定で200本、発売は6月の予定、価格は285,000円(税別)。
■【レポート】BASELWORLD 2014 - カシオのバーゼル特別仕様「OCEANUS」続報
BASELWORLD 2014 - カシオ、幻想的に煌めく「OCEANUS Manta」特別仕様
○新興国市場向け製品に新鮮な魅力「SHEEN」
エレガントな女性向けメタルウオッチ、SHEENのコーナーは、日本国内向け展示会でも紹介されていたトノー型ケースとラウンドダイヤルを組み合わせた「SHE-1510」などを展示。しかしながら、もっとも目を引いたのは、新興国向けプロダクツの数々だ。
代表的な製品は「SHE-3031」。ラウンドケースに2種の大きさのアラビアインデックスをあしらい、曜日と日付、24時間表示を確認できる3つのインダイヤルをレイアウト。インデックスには、ブラックライトに反応してカラフルに光るネオンイルミネーターを採用。国内向けのSHEENとは、またひと味違った光の表現を身にまとっている。なお、国内発売の予定はないとのこと。
そのほかの新興国向け製品も、ロゴやアクセントに赤の差し色を使ったモデルや、ベゼルにスワロフスキーエレメントをぎっしり配したモデルなど、日本国内とはまた違った市場特性が垣間見えて興味深い。
(青木淳一)