
4月は新生活の季節。多くの人が新しい組織、新しい立ち場での一歩を踏み出し始めている。それまでの自分の生活や仕事を見直して、新しいやり方を取り入れるにもいい時期だ。それを応援するように、我々を取り巻く状況も、少しずつ進化をしている。
【間取り図作成アプリ「MagicPlan」の画像、ほか】
満開の桜で幕開いた今年の春と、過去5年間で大きく違うのは、長く続いていたスマートフォン端末同士の小競り合いが一段落したことだろう。
2013年にNTTドコモからiPhoneが発売されたことで、少なくとも日本でのスマートフォン端末競争は一段落した。iPhoneの国内でのマーケットシェアは69%。文句なしの実質標準となった。これは一時的な流行ではなく、時代のシフトといってもいい。カンター社の調査によれば、iPhoneを買った人の97%は次の端末として再びiPhoneを購入しているという。
なお、同じ調査によれば前四半期のAndroidユーザーの40%がiPhoneにを乗り換えているようだ。インターネット上では、スマートフォンに慣れられず旧来型の携帯電話(俗称:ガラケー)に戻る人が多いという声も聞くが、さすがに40%よりははるかに小さいはずだ。
もちろん、日本中の電話すべてがiPhone一色になることはないだろう。約3割ほどの人たちは、機能や仕様や値段を天秤にかけて、今日でもAndroidを選んでおり、そこではソニーの「Xperia」シリーズとシャープの「AQUOS」シリーズの激しい競り合いが続いている。テレビの視聴機能など多くの機能は、iPhone側でも他社製のアクセサリで補うことができるが、FeliCaチップを使ったおサイフケータイ機能だけはどうがんばってもiPhoneでは利用がきず、今でもAndroid端末を選ぶ大きな理由の1つになっており、それは理解できる。また、純粋に技術が好きな人、カスタマイズが好きな人にもAndroidはいい選択かもしれない。しかし一方で、日本の約7割の人には、どうでもいい問題だ。
今では「5sと5cのどちらのiPhoneにするか」や「どの色のiPhoneにするか」の議論も終わり、購入したiPhoneでどのように生活や仕事の質を向上させるかに目が向き始めている。そこでiPhoneで、2014年春時点でのiPhoneを取り巻く状況と、この春、iPhoneを使うみなさんが新生活にどう備えるかについて記事にまとめてみたい。
●世界を変えたiPhoneで、あなたの生活も変える
2007年、Macworld Expoで、故スティーブ・ジョブズが「電話を再発明する」といって発表したiPhoneは、この7年で世界中の大勢の人々の暮らしぶりや人生までも変えてきた。今月はじめは、全国のそこかしこに咲いた桜を大勢の人たちがiPhoneで撮影し、その場で友だちや家族に見せ合ったはずだ。
もちろん、こうした習慣は、これまでのデジタルカメラや旧来式携帯電話の時代にもあったが、撮れる写真の画質や、ついつい撮ってしまう写真の量、そして指でスクロールして見つけるのがあまりに簡単なので、つい友だちに見せてしまう写真の量など、そこで行なわれている写真コミュニケーションの質は格段に進化していることを多くのiPhoneユーザーが実感しているだろう。
カメラ機能といえば、会議の後、ホワイトボードに書き出した項目を、メモを撮る代わりにスマホで撮って、参加者にメールでシェアをする、というのもiPhone以降のスマートフォンで一般に広がった習慣だし(以前もがんばってデジタルカメラや従来型携帯電話で同じことをしている人もいたが手順は大変だった)、最近では同じカメラ機能で見えない小さな文字を写し、ピンチアウト操作で拡大してiPhoneを虫眼鏡代わりに活用するシニアも増えてきた。
一方、2012年のロンドンオリンピックでは盲目のランナー、サイモン・ウィートクロフト氏がiPhoneとRunKeeperというアプリの助けで聖火を運んだ。咽頭ガンで声を失った永生病院副院長の赤木家康医師は亡くなる直前まで「指伝話」というiPhoneアプリを自分の声にしていた(実際には病院ではiPadを使用していた)。
また世界中で自閉症などの障害を抱え、親や友だちとほとんど話したことがなかった大勢の子供たちが今日では、日本では「Voice4U」、英語圏では「Proloquo」といったアプリを活用して、日常的に会話をするようになった。
そんなiPhoneは、この春からのあなたの新生活をどう変えてくれるのだろう。
●新生活をサポートする新世代のおすすめアプリ&アクセサリー
新生活にあわせて引っ越したものの、まだ家具がそろっておらず、週末や会社の帰りに家具屋や家電店に寄っている人もいるかもしれない。実は面倒な家の間取り図もiPhoneを使えば簡単に描くことができる。
「MagicPlan」は定評のある間取り図作成アプリだ。カメラ越しに部屋を見渡して壁と壁の交わるところに照準をあわせて仮想の目印を置いて行き、部屋をグルっと1周取り終わると即座に間取り図ができあがる。
RoomScanおよびRoomScan Proは、iPhone内のモーションプロセッサーを活用し、iPhoneを壁にくっつけてしばらくじっとしていると音が鳴るので、その後そのiPhnoeを持って隣接した壁の好きな場所にくっつけてまたしばらくじっとする、といった動作を繰り返すことで間取り図が描ける。
どちらも誤差は生じるが、補正も可能で、少ない手間で家のすべての部屋の間取り図を簡単に作成し、それをiPhoneに入れて持ち歩けるので家具選びの前に活用すると便利だ。
家具の前に、実は引っ越し代の値下がりを待って新居をまだ決めていなかったという人には、リクルートがマンション、アパート、一戸建てに対応した物件検索アプリ「SUUMO」を利用しよう。
駅、エリア、路線図、通勤・通学時間からの物件検索や地図上で範囲をなぞって検索する機能などを備え、細かな条件で検索結果の絞り込みも行なえる。物件によっては間取り図に加えて動画が用意されていることもあれば、見学の予約がワンボタンで済むものもあり、条件に見合う新規物件のお知らせ機能や過去に見た物件の履歴の振り返り機能などもあり、とにかく使いやすい。
それもそのはずで、実はリクルートではいち早くスマートフォン時代の到来を見据え、スマートフォンアプリ開発部隊を用意し、現在ではアプリ開発を研究し支援するメディアテクノロジーラボも立ち上げている。そこではPassbookなどの新機能の採用にも真っ先に取り組み、現在はiBeaconというiOS 7の最新機能を使った開発も行なっている。リリースタイトルは150以上にのぼり、総ダウンロード数は5000万件を超える、一大アプリ出版社だ。もちろん、それだけにアプリの使い勝手の質も高い。
アルバイト探しのfromAから仕事探しのリクナビNEXT、結婚、結婚式検索のゼクシィnet、そしてゴールデンウィーク中の旅行先探しに「じゃらん」のアプリ版もある。ちなみに「じゃらん」は、このiPhoneアプリ版を提供したことで予約率が200%向上。リクルートではこれをiPhoneならではの極めて簡単な操作とGPSを使って現在地周辺の宿が簡単に探せるようになったおかげとしている。
身につけるアクセサリーや部屋のインテリアは、他の人が持っていないユニークなものにしたいという人には、AppStoreの2013年ベストアプリにも選ばれた「BASE」も試してみよう。これはAppStoreの2013年ベストアプリにも選ばれたハンドメイド商品を売買できる市場になっており、ここでしか買えない小物やアクセサリーも少なくない。しかも、現在、まさに「新生活応援」キャンペーンを実施中だ。
さて、新生活を始めるに当たってもう1つ注目しておきたいアプリがある。財務管理アプリのMoneyTreeだ。どんなことにどれくらいお金を使ったかや銀行の残高などを管理できるアプリだ。銀行やクレジットカード会社など1300以上の金融機関に対応し、残高や引き落とし額、使ったお金の情報を自動的に引き出し、人工知能で自動的に交通費や交際費などに分類してくれる。
これは単に出納を管理するためのツールとしてだけでなく、自分のお金使いの傾向を客観的に把握するツールとしても注目されている。こちらも2013年のAppStoreベストアプリの1つに選ばれ、使い勝手や信頼性でも定評がある。実際、信頼性に真剣に取り組むあまり、執筆時点ではサービスを一時中止した。インターネットの基本的セキュリティ技術の1つ、OpenSSLにぜい弱性が見つかりインターネット全体で安心が担保できなくなっているからで、その対応も非常に早かった。なお、現在は対策を講じたアップデート版が配信されている。MoneyTreeは4月26日にApple Store銀座でイベントを開催予定だ。詳細は同社のWebサイトで告知されるので興味がある方はチェックしてほしい。
iPhoneには、こうした新生活をサポートしてくれる多種多様なアプリがある一方で、新生活を応援してくれるハードウェア製品も多数ある。
例えば、これからサッカーのワールドカップも始まり、テレビが面白くなるシーズンだが、ランチ時間などに結果が気になる人は、ソフトバンクの携帯型バッテリー兼テレビチューナー「ポケットフルセグ」を活用すれば、画質の悪いワンセグではなく、iPhoneの高精細なRetinaディスプレイの画質を存分に生かした地上ジデタル放送ハイビジョン画質のテレビ番組をiPhoneで楽しむことができる(もちろん、iPadにも対応)。microSDカードスロットを内蔵するため、業務中で見れない番組は1時間あたり約7.5Gバイトの容量で録画しておき、ランチ時間などに楽しむことも可能だ。64GバイトのmicroSDを用意すればなんと8時間分のハイビジョン番組を持ち歩ける計算になる。おまけにテレビを見ない時は2500ミリアンペアアワーの携帯型バッテリーとしても利用できiPhoneを1回フル充電できる。大きさはiPhoneをちょっと厚くしたくらいで、重さも130グラム。常にカバンの中に入れておいてもまったくじゃまにならない。
新生活を迎えるにあたって、もう1つ個人的にオススメしたいハードウェアは、新たに登場したデジタルペン「Livescribe 3」だ。会議の議事録や講義のノートをPCで取ろうとすると、文字情報しか残せない。タブレットのアプリも、指で描いた文字や絵では、なかなかきれいにメモを残すことがない。やはり、21世紀の今日でもペンと紙の柔軟性は秀でており、世の人の3分の2は、今でも紙でノートを取っているという統計がある。
ただ、ここで使うノートとペンだけをちょっと変更して、Livescribeのスマートペン「Livescribe 3」に切り替えれば、紙のノートに描いたそのままの内容が、即座にiPhone/iPadに転送される。この段階で日本語も英語も文字認識がされるので、書き溜めたノートの中から、目当ての情報を検索したり、メールで送ったりもできる。
紙のノートは最後のページまで使い切ってしまうと持ち歩かないが、Livescribeで取ったノートはEvernoteなどのクラウドサービスに転送していつでも参照できる。しかも、ノートを取りながらiPhone/iPadで録音する機能も用意されている。例えば、審査員の仕事などをしている時に、Livescribe 3で録音をしながら、チーム1、チーム2、チーム3といった具合にメモを取っておく。後でチーム2のプレゼンテーションだけもう1度聞き直したくなったらiPhone上で「チーム2」というメモの部分を指でタッチする。すると録音が自動的に頭出しされて、チーム2のプレゼンから聞くことができるのだ。
●進化し続けるプラットフォーム
インターネットには、常に次のiPhone、その次のiPhone、大きいiPhone、小さいiPhoneと、虚実入り乱れたさまざまなiPhoneの情報が溢れている。そして、果たしてウワサ通りかは別として、おそらくアップルはこれからも毎年新しいiPhoneを発表し、発売していくはずだ。
だが、iPhoneは新しい機種が出る以外のタイミングでも進化を続けている。iOSをアップデートすることで、新しい機能が利用できるようになるし、つい最近のiOSのアップデートでは、Siriの新しい音声が追加され、受け答えの質も向上した。
現在、アップルが最も熱心に取り組んでいるのは車の中でのiPhone利用だ。今年の後半からヒュンダイ、フェラーリ、ボルボ、ホンダ、メルセデス=ベンツ(50音順)といった車ブランドからCarPlayという機能に対応した車が登場する(さらに2015年以降はBMWやトヨタ、日産、スズキ、スバルなど合計18社以上から出る予定)。
CarPlayはiPhoneと車の融合を一歩押し進める技術だ。これまでにもハンドル部分にSiriを呼び出すボタンをつけ、音声操作でルート案内などの機能を呼び出せるEyes Freeという機能に対応した車があったが、CarPlayでは、車との連携を一歩進めて、車が元々備えている車内ディスプレイシステムやダイアル、ボタン、タッチパネルといった操作方法をフル活用して、iPhoneの地図、電話、(SMSなどの)メッセージ、音楽再生などの機能を利用可能にする。
アップルは車内ディスプレイの最低解像度などは規定しているが、それ以外の操作方法などは車メーカーにまかせており、メーカーは自社の世界観にあった操作方法を提供することができる。
画面表示を一切使わなかったEyes Freeと異なり、CarPlay連携をした車ではナビゲーション中の地図や再生中の音楽、メッセージなどは車内ディスプレイに表示される。もちろん、Siriを使って近くにあるおすすめレストランの場所を音声で聞いたり、そこまでのルートをナビゲーションさせることも可能だ。
アップルは実は2004年にBMWの車とiPod連携機能を開発して以来、車とデジタル機器の融合に取り組んでいる。CarPlayはまさにその10年来の集大成と言える技術だ。なお、今のところ友だちの家の住所など、よりパーソナルな情報はiPadには入っていないことがあっても、iPhoneには入っているはずという考えから、とりあえずiPadではなくiPhoneのみ(具体的にはiPhone 5/5c/5s)に対応する。
現時点で利用できるのはアップルが標準で提供する地図、電話、メッセージ機能だけで、LINEやSkypeなど、そのほかのメッセージやIP電話に利用することはできない仕様だが、音楽機能だけは例外でトーク番組なども多いPodcastのほか、BeatMusic、iHeartRadio、Spotify、Sticherなどのインターネットラジオ/ストリーミング放送サービスにも対応している。
CarPlayはiPhoneと、我々のライフスタイルとの連携のほんの1つのバリエーションに過ぎない。リビングルームに置いたテレビとも、AppleTVへのAirPlayを通して連携が始まっており、旅行先で撮った写真をテレビ画面に大写しにしてみなで楽しんだりもできれば、JAWBONE社のJAMBOXなどに代表されるBluetoothを使ったワイヤレススピーカーで音楽を楽しむこともできる。さらにはiPhone連携の体重計や活動量を計るリストバンド、iPhoneと連動するオモチャなど、我々の生活を取り囲むさまざまなものがiPhoneとつながり始めている。
どの端末がいい、どの端末が悪いといった議論をする時代は終わった。これからはお気に入りのスマートフォンで、どこまで生活を楽しく充実したものに変えられるかを議論する時代であり、それをするうえでiPhoneは最も多くの選択肢を提供しているスマートフォンであることは間違いない。
[林信行,ITmedia]
ダイソンの新製品発表には1つの特長がある。必ずといっていいほど「何人のエンジニアが何年をかけて開発した」という説明が付くのだ。国内の家電メーカーではほとんど語られない部分だが、ダイソンはさらに研究開発に投じた金額も公表する。ときには製作したプロトタイプの数、開発の過程で行った実験の回数までも明らかにする。
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例えば4月9日に発表された「エアブレード」ハンドドライヤーシリーズは、「125人から成るダイソンのエンジニアチームが3年近くにわたり実施してきた集中的な研究開発と4000万ポンド(約68億円)の投資による成果」だ。プロトタイプの数は3300個以上、手洗い実験は2億1300万回以上も行われた。それを数えた人がいることにも驚かされるが、エンジニアたちの功績を評価し、そのための資金を重視する姿勢は新鮮だ。近年、コストダウンという“功績”ばかりが目立つ国内メーカーとは対照的に見えてしまう。
同様の感想は誰もが抱くようで、新製品発表会の後で行われたラウンドテーブル(少人数のインタビュー)では、ダイソン氏に「日本企業へのアドバイス」を求める声が上がった。少し躊躇(ちゅうちょ)した後、ダイソン氏が話した内容は、「成功した大きな会社はイノベーションを伴う製品をローンチするのに大きな勇気がいる。しかしダイソンには、多くの、勇気と才能にあふれた若いエンジニアたちがいる」ということだった。
自身もエンジニアであるジェームズ・ダイソン氏が4人の新卒エンジニアとともに「ウィルトシャーにやってきた」のが二十年以上前のこと(英国ウィルトシャー州のマルムズベリーで1993年に創業)。それが今では1000人を超えるまでになり、現在でもダイソン全社員の3分の1以上がエンジニアだ。今年も400人を採用するという。
さらに同日発表された英国研究開発センターの拡張計画によると、新たに3000人の科学技術職を雇用する可能性がある。英国研究開発センターでは、新たに約2億5000万ポンド(約425億円)を投じ、4棟の研究開発施設を含むテクノロジー・キャンパスを建設するという。実現すると、現在は毎週300万ポンド(約5億1000万円)とされる研究開発費用は倍増することになるが、ダイソン氏は「若い人たちの中で、エンジニアや研究者になりたいという人が少ない。それを支援したい」と話した。
若いエンジニアに対する支援はそれだけではない。ダイソン氏は、教育慈善団体「ジェームズダイソン財団」を設立し、全世界の若いエンジニアを対象に「日常の問題を解決するアイデア」を募集する「ジェームズ ダイソン アワード」(JDA)を実施している。一方で大学との連携も重視し、ケンブリッジ大学やインペリアル・カレッジなど英国内10校以上と協力体制を構築。「また大きな大学との共同プロジェクトを発表するつもりだ」という。「多くの大学に素晴らしい学科がある。しかし、素晴らしいアイデアを持っていても試作機を作る時間と場所がない。そこでインキュベーションの施設を提供する」。
●ダイソンのアプローチ
ダイソンの研究開発を統括するUKデザインディレクター・アレックス・ノックス氏も、25歳のときにデザインコンサルティング会社からダイソンに転じた“若いエンジニア”の1人だった。当時は社員がまだ10人ほどで、ノックス氏は「『成功すると信じていた』と言いたいところだが、実は全く思わなかった。ただ、会社のアプローチが面白くて興味を持った」と振り返る。
日本ではダイソンを“掃除機などの家電メーカー”と認識している人が多いと思うが、それは表面的に見える部分だけだ。ノックス氏によると、ダイソンは「空気を動かす」技術に特化した研究開発とエンジニアリングの企業だという。
例えばエアブレードの発表を見た人は「英国ではハンドドライヤーがまだ普及していないのか?」と思ったかもしれない。新規参入なら成長余地のあるところを狙うのが当然だからだ。しかしハンドドライヤーが広く普及している日本に持ってきたことについてはどう解釈したらよいのか。「市場性を見誤った」と捉える人もいたかもしれない。
ダイソンの製品開発は、市場性から入る形ではないようだ。ジェームズ・ダイソン氏が語ったエアブレードの開発経緯は、「あるエンジニアが10年前から“シート状の空気”の実験をしていた。その目的や詳細は話せないが、あるとき1人のエンジニアがこの空気を使って手が乾かせると気づいた」。つまり、最初は別の目的で研究開発していたが、その成果から別の用途が生まれたことになる。
市場性に注目するのはこの後で、今ある製品に足りないものや「使う人が困っていること」を洗い出す。今回の場合は衛生面と手洗いの効率に注目し、世界最速の空気の層を使い、HEPAフィルターを通すことにより、既存のハンドドライヤーよりも衛生的で早く乾かせるという“強み”をプラスした。強みのある製品は一定のファンを生むため、成熟した市場でも存在感を示す可能性はあるだろう。そして自社の技術は特許で徹底的に守る。エアブレードの場合、出願中を含めた特許件数は110件で、それとは別にV4デジタルモーターでも100件を数えるという。
若いエンジニアを集め、こと「空気を動かす」技術に関しては、自らテクノロジーツリーを延ばしていくような勢いで研究開発を進めるダイソン。空気を動かすためにデジタルモーター技術を磨き、空気の音がうるさいと言われればヘルムホルツ式空洞を用いた。開発した技術はジャンルの全く異なる製品にも採用されるため、むしろ研究開発の効率は良いのかもしれない。
「われわれは研究開発に投資し続けている。そして、より効率の良い機械が実現すると信じている。イノベーションは常に起こせるものだ」(ダイソン氏)。
[芹澤隆徳,ITmedia]
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