
総務省消防庁は28日、有床診療所(有床診)の防火対策自主チェックシステムの運用を、4月1日から始めると正式に発表した。昨年10月の福岡市の有床診火災を受け、消防庁は、有床診の防火対策の履行状況について、国土交通省や厚生労働省と情報を共有できるシステムの整備を進めていた。消防庁は「今後、集約したデータを関係機関が横断的にチェックすることが可能になる」としている。【新井哉】
患者ら10人が死亡した福岡市の有床診火災では、防火扉が閉まらなかっただけでなく、増築も一部が未届けだったことなどが判明。法令違反が疑われる事項については、本来は是正指導が必要だったが、「関係機関で法令違反にかかわる情報が適切に共有されていなかった」(消防庁)という。
こうした実態を踏まえ、消防庁は、有床診の事業者自らがシステムに防火対策の履行状況を入力できるシステムを導入。消防庁と厚労省、国交省が情報を共有することで、違反している事業者を早期に把握するのが狙い。また、入力された情報を活用し、関係機関が連携して違反項目の是正指導につなげたい考えだ。
入力対象者は、全国に約9000か所ある有床診の事業者。入力するのは、防火責任者の選任や防火対象物点検の実施・報告、避難上必要な施設の管理、医療機器の保守点検といった消防や建築、医療に関する約30項目。法定点検の項目に違反があれば、警告表示が出るなど、事業者の自主防火意識の向上を図る工夫もされている。