
若手の教育などに当たる救急救命士を「指導救命士」として認定する制度案を総務省消防庁の検討会がまとめたことを受け、消防庁は指導救命士の養成教育を行うことを決めた。養成教育を受けた救急救命士を、救急医らが加わる都道府県メディカルコントロール協議会(MC協議会)が認定する方針。教育実施機関として、消防大学校などが候補に挙がっており、来年度から養成教育が始まる見通しだ。【新井哉】
救急救命士の教育体制をめぐっては、医師の具体的な指示を受けて行う「特定行為」に、今年4月から心肺機能停止前の輸液とブドウ糖溶液の投与が追加されることなどを踏まえ、教育体制の拡充や見直しが求められていた。しかし、現場の救急救命士の指導を担う人員体制には、都市部と地方の財政状況、消防本部の規模などによって格差が生じており、関係者からは国主導による認定制度の創設を求める意見が出ていた。
検討会の制度案には、指導に必要な医学的知識や救急隊長として豊富な現場経験、地域MC協議会の医師との連携能力といった指導救命士の要件を明記。具体的には、▽救急救命士として通算5年以上の実務▽医療機関における一定期間の病院実習▽必要な養成研修の受講―などを要件として挙げた。
さらに、救急業務の幅広い知識や、正確な技術・処置など「指導救命士に必要なスキル」も提示した。こうしたスキルの向上を図るため、医学理論や安全管理・観察、プレゼンテーション技法といった養成研修の必要性を指摘。すでに消防大学校や一般財団法人救急振興財団九州研修所で養成教育が企画されており、来年度から実施が可能とした。
消防庁は、検討会の制度案を踏まえ、消防大学校などの教育実施機関で今年4月以降、要件を満たした救急救命士を対象に、検討会がまとめた養成カリキュラムのコンセプトに基づく集合教育を行う方針だ。