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女性が注意すべき身近なセキュリティ――情報とお金を守るためには - だっぢゅニュース

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2025.09.15|コメント(-)トラックバック(-)

女性が注意すべき身近なセキュリティ――情報とお金を守るためには


スマホを貸したら……

 最も危険な行為は、自分のPCやスマートフォン、タブレットなどを「人に貸す」ことです。後輩から頼まれて1日だけノートPCを貸したら、削除したはずの「彼との写真」や「日記帳」が勝手に復元、印刷され、金銭を要求された――5年ほど前、実際に筆者が相談に対応した事実でした。

 「消したはずなのに……」。そう、実は削除したり初期化したりしても、データは消えません。それはデジカメのSDカードもUSBメモリといったほとんどものに当てはまります。

 「スマホを忘れたからちょっとだけ貸して!」。そう言われて貸してしまうと、相手は不適切な画像を勝手にTwitterへ投稿して、世界中にばらまくかもしれません。席を立ったわずかな間に彼氏が女性のスマホに監視アプリを入れ、別れてからも監視され続けた事件も起きています(元カレは逮捕されましたが)。デジタル情報はとても危険です。思っている以上に残酷な面を見せつけるものです。

LINEなどのやり取りから……

 社会人になったなら、その自覚を持って「なにが危険なのか」「どう対応すべきか」を認識しておくべきです。特にSNSよりもメール、メールよりも電話、電話よりも会話です。例えば、仕事を完遂するには「上司に報告した」という証拠を残します。毎日顔を会わしているのに会話をしないのは、相手に「人間として欠陥を持った」という認識を持たれてしまいます。

 特に画像は要注意です。写っている背景や、匿名のSNS(Twitterなど)と実名のSNS(Facebookなど)を混在して使っていると、簡単に本人特定がされてしまいます。そういう危険性をご存じではない女性が少なくありません。

 彼氏に言われたままエッチな画像を撮らせている女性もいます。別れてからその写真で脅迫される恐れもあります。まさしく「リベンジポルノ」によって、職場から解雇されたり、友人関係がズタズタになったりと、まさに「100倍返し」の状況に追い込まれます。

 警察に訴える勇気もなく、そのまま野放しにしている女性も多いようです。絶対に泣き寝入りすべきではありませんが、それ以前に将来の問題となりかねない軽率な行動していないか見直すべきです「セキュリティ」という1つの思考を日常生活に加えることで、未然にトラブルを回避できるようになるでしょう。

ネットバンキングや通販の活用で……

 「セキュリティソフトは効果なし」なんていう無責任な記事が一部にみられます。それを真に受けて対策を軽視すれば、簡単に被害に遭います。例えば使い回しているパスワードが盗まれて不正利用され(「リスト攻撃」というサイバー攻撃が起きています)、プライバシーが第三者に筒抜けになるでしょう。

 残念なことに、対策を軽んじて実際に被害に遭っていることを知らない(気付いていない)人がいます。恐らく知っていれば大騒ぎになるので、一生知らないままかもしれません。

 ネットの世界で怖いのは、こうした人が「被害者であると同時に加害者になる」という事実です。ウイルスやボット(遠隔操作型の不正プログラムなど)に感染すると、例えばその人のコンピュータから毎日何十万通ものスパムメールが送信されてしまいます。そして、本人はそのことに気が付いていません。こうした“無知”にならないようにしましょう。せめて、ウイルス対策ソフトは必ず導入してください。パスワードもしっかりと管理すべきです。

身の回りのお金

 1年の中で4月や5月は、スリや置き引きによる被害が多いようです。特に、新社会人になったばかりのOLさんがターゲットにされます。財布はしっかり身に付け、中身を把握しておきます。新しい生活が始まるとクレジットカードやポイントカード、そしてキャッシュカードなどが簡単に10枚以上に膨れ上がります。

 全て財布やカード入れに保管して持ち出すのではなく、その日に使うカードだけ持ち出すことでリスクが軽減されます。また、万一の紛失や盗難に遭っても冷静に対応できるよう全てのカードの名称、社名、緊急連絡先、そのカードの特徴などの一覧表を作成しておくことが肝要です。

 ある年の6月頃、新人OLの方に「あなたの財布が盗難にあったとします。さて、財布やカードケースの中にある全てのカード枚数とその連絡先が分かりますか?」と尋ねたことがありました。なんと、7割以上の方が保有枚数すら把握していなかったのです。くれぐれも「緊急連絡すらできないという女性」にはならないでください。

 よくレストランなどの「席取り」でテーブルにスマホや財布を置いて、平気でレジの行列に並ぶ人がいます。外国人がびっくりする日本人の行為の1つにもなっています。そのシーンに直面した中国人と米国人の友人が、「わが国なら1分もしないうちに無くなっているよ」と眺めながら話していたのが印象的でした。

マネロンの被疑者になるかも

 ある女性にこんなメールが来ました。

「わたしは米国の通販会社の経理担当者です。誤ってあなたの〇〇銀行〇〇支店の口座に625万円ほど入金してしまいました。事務手続きの単純ミスです。

口座は本人でないと資金の移動できないので、あなたを信用して指定口座に入金してほしい。金額が大きいので窓口での振込となりますが、その手数料として振込金額は620万円でOKです。差額の5万円は手数料としてお渡し致します。窓口では理由を聞かれますので『〇〇〇です』と話せば、すぐに納得されますのでよろしくお願いいたします。

誠に申し訳ございませんがこのメールをお読みになってから2日以内に処理をお願いします。もしそれを超えた場合は日本の警察にこの事実を連絡するしかなくなってしまいます。ぜひ、ぜひお願いします。」

 実際に確認すると、振込がありました。そこで彼女は時給5万円のバイトと考え、喜んで窓口で振込をしました。その後、警察から共犯の疑いで家宅捜索されてしまったとのことです。どうやら、新手のマネロン(資金洗浄)だったようです。

 このようなメールを受信したら、とにかく警察に相談します。「入金をそのままネコババできるのでは?」と軽々しく考えた方は、極めて危険な状況に陥ることになります。正式に訴えられるか、裏ルートでお金を奪われ、行方不明となるか……。

 これとは反対に、ゴールデンウィークの海外旅行先で「スーツケースを1つ運んでほしい」と頼まれ、何も考えずに空港に行ったところ逮捕され、現地で終身刑になった方もいます。諸外国は密輸入、特に麻薬に対する罪が重いのです。こういう頼み事をされても、絶対に引き受けてはいけません。「お礼に10万円を差し上げる」といわれようが、絶対に受け取らず、万一受け取っても直ちに返却して、その場から出国すべきです。

 現地スタッフに頼まれ、「今まで親切に接してくれたから」とついつい引き受けてしまうケースも多いのです。最悪の場合、初犯であっても死刑になるので、絶対に受けないでください。

●萩原栄幸
日本セキュリティ・マネジメント学会常任理事、「先端技術・情報犯罪とセキュリティ研究会」主査。社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会技術顧問、CFE 公認不正検査士。旧通産省の情報処理技術者試験の最難関である「特種」に最年少(当時)で合格。2008年6月まで三菱東京UFJ銀行に勤務、実験室「テクノ巣」の責任者を務める。組織内部犯罪やネット犯罪、コンプライアンス、情報セキュリティ、クラウド、スマホ、BYODなどをテーマに講演、執筆、コンサルティングと幅広く活躍中。

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2014.04.27|コメント(-)トラックバック(-)
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