iPhoneやNexusなど、メモリカードスロットを持たないスマートデバイスは意外と多い。このような端末を使っていて「もう少しストレージに余裕があったらなあ」と不満を感じたときに便利なのが、Wi-Fiでアクセスできるモバイルストレージだ。今回紹介するプリンストンの「デジ蔵ShAirDisk」(型番:PTW-WMS1)も、そのような製品の1つである。
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この手の製品はバッテリーを搭載したものと非搭載のものがあるが、デジ蔵ShAirDiskはバッテリーを内蔵していない。このため、外出時にはUSBケーブルでPCやモバイルバッテリーなどに接続する必要がある。その分、バッテリー内蔵型よりも価格は安く軽量・コンパクトというメリットもある。
さらに、Wi-Fiストレージとしてファイルを共有した状態でインターネットに有線または無線で接続する機能も搭載しており、さまざまな使い方が可能だ。なお、価格は筆者が購入時はAmazon.co.jpで税・送料込み3609円だった。
デジ蔵ShAirDiskのサイズは51(幅)×56(奥行き)×18(高さ)ミリ、重量は約30グラムと軽量・コンパクトだ。これならPCケースなどに入れていつでも持ち運べる。スイッチや入出力端子はすべて本体の横に搭載されており、インターネット接続ランプおよび電源/アクセスランプだけが「Digizo」のロゴが入った表面に搭載されている。
有線LANポートは10/100BASE-TXに対応しており、その横にはmicroUSB電源コネクターとネットワーク切替スイッチがある。前述した通り、この製品はバッテリー非搭載のため、MicroUSB電源コネクターにUSBケーブルを接続し、PCのUSBポートやモバイルバッテリーから電源を取る必要がある。電源ボタンは付いておらず、USBケーブルで給電可能な機器と接続すると自動的に電源がオンになり、ケーブルを外すと電源がオフになる。
MicroUSB端子があるのとは別の側面にUSB端子とリセットボタンが搭載されており、USBメモリやUSB HDDはこちらに接続する。この状態でiPhoneやAndroidスマートフォンでデジ蔵ShAirDiskにWi-Fi接続することで、専用アプリ「ShAirDisk APP」からUSBストレージに保存されたファイルにアクセス可能となる。このほか、スマートフォンだけでなく、Windows搭載PCやMacからWebブラウザでアクセスすることも可能となっている。また、Samba接続にも対応している。
●画像・音楽・ドキュメントを読み込める専用アプリ
ShAirDisk APPには画像ビューアー機能や音楽プレーヤー機能が備わっており、写真の表示や音楽ファイルの再生が行えるほか、ワードやPDFなどのドキュメントも表示できる。また、デジ蔵ShAirDiskからインターネットに接続する際の設定もアプリから行える。
インターネット接続は有線か無線かを選ぶことが可能で、本体側面のスイッチで切り替えられる。有線接続(アクセスポイントモード)の場合はLANケーブルに接続し、正しく認識されるとインターネット接続ランプが点灯する。専用アプリやウェブブラウザで固定IPを設定することも可能だ。この機能を活用することにより、出張先のホテルで有線LANしかないような場合でも無線化して、スマートフォン/タブレットやゲーム機などさまざまな端末からアクセス可能となる。
無線接続(無線リピーターモード)の場合は、専用アプリまたはWebブラウザから接続先のSSIDを選び、パスワードを入力することで接続できる。無線の場合でも、正しく接続された場合はインターネット接続ランプが点灯して知らせてくれる。この機能を使えば、ホームルーターの電波が電波の届きにくいエリアにおいて確実に無線LAN接続を行うためのリピーターとしても利用できる。
●常に持ち歩く無線ストレージとして最適
実際にUSBメモリを接続して使ってみたが、とくに問題なくiPhoneからUSBメモリ内の音楽ファイルや写真ファイル、ドキュメントファイルなどにアクセスすることができた。
インターネット接続についても、アクセスポイントモードと無線リピーターモードともにiPhoneで問題なく利用できた。音楽再生中に音が途切れてしまうようなトラブルもない。とにかく本体が軽く小さいので、モバイルバッテリーに接続したまま簡単に色々な場所に移動させることができる。
常に持ち運んでも気にならない大きさと重さなので、ビジネスマンがカバンの中に入れておくのには最適だ。USBストレージを接続してファイルサーバとして使うのもいいし、ホテル用ルーターとしても使える。もしものときのために1つ持っておけば、なにかと便利に使える製品だ。
[橘十徳,ITmedia]