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「GRANNOTE」――富士通の“洗練された大人世代PC”を徹底検証 - だっぢゅニュース

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2025.09.17|コメント(-)トラックバック(-)

「GRANNOTE」――富士通の“洗練された大人世代PC”を徹底検証


 富士通が提案する活動的なシニア向けPC「GRANNOTE」。今回は各種ベンチマークテストで、PCとしての実力を明らかにする。

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●実力テスト:HDD搭載ノートとして高い性能、十分なバッテリー駆動時間

 前回は富士通の新コンセプトPC「GRANNOTE」(FMV LIFEBOOK AH90/P)が持つさまざまな特徴をチェックした。今回はパフォーマンスをはじめ、液晶ディスプレイの表示品質、バッテリー駆動時間、騒音、発熱といったPCとしての実力をまとめてテストする。

 主な基本スペックは、Core i5-4500U(1.8GHz/最大3.0GHz)、Intel HD Graphics 4400、8Gバイトメモリ(PC3L-12800デュアルチャンネル)、1TバイトHDD(Western Digital WD10JPVX)、IPS方式の15.6型フルHD液晶ディスプレイ、64ビット版Windows 8.1という内容だ。

 パフォーマンステストの結果については、参考までに同社の13.3型モバイルノートPC「FMV LIFEBOOK SH90/M」(Core i5-4200U、4Gバイト、500GバイトハイブリッドHDD搭載)のスコアも併記した。Windows 8.1の電源プランは標準の「バランス」で統一している。

 まずはCPU性能を計測するCINEBENCHのスコアからだ。マルチスレッド対応の「CPU」テストはSH90/Mとほぼ同じ結果だが、「CPU(シングルコア)」テストでは14~15%ほど高いスコアが得られた。Core i7の割にCPUスコアが伸びないように思えるのは電源設定の関係だろう。試しに電源プランを「高パフォーマンス」に設定してCINEBENCH R15を計測すると、CPUで「236」とさらに高いスコアが出た。

 ディスク性能を計測するCrystalDiskMark 3.0.3のスコアは、2.5インチHDDとしては良好といえるが、ランダム性能がハイブリッドHDDと比べて低いのは否めない。総合的な性能を評価するPCMark 7についても、ストレージの性能がスコアに大きな影響を与えるため、CPU性能で勝るSH90/Mより振るわない結果となった。

 実際のWindows 8.1のレスポンスについては、アプリの起動などでSSDやハイブリッドHDDほどのキレがないものの、Windowsの基本操作は快適にこなせるので、対象ユーザーがスペック面で不満を持つことはないと思われる。

 3D描画性能を調べる3DMarkのIceStorm、Cloud Gate、およびFINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編ではSH90/Mより順当によいスコアが出た。3DMarkのFireStrikeでは少し低い値が出たが、内訳を見るとCPU性能の比重が高いPhysicsスコアが上がっているぶん、Graphicsスコアが下がっている。FireStrikeでは総合スコアに対するPhysicsの比重が低いことから、このような結果になっていた。

 Turbo Boost 2.0は、CPUと内蔵グラフィックスにおけるクロックのバランスを処理内容によって自動的に判断して調整するが、ここではCPUクロックが優先されたことで、GPUクロックが十分上がらなかったものと予想される。

 液晶ディスプレイの表示を計測したところ、標準状態(50代以下)で輝度は平均250カンデラ/平方メートル、色温度は6400KとsRGB基準の6500Kに近い値だった。ガンマ補正カーブを見ると、暗部が若干膨らんでおり、黒に近いグレーが暗くなる傾向にあるが、全体としてはRGBの各線がだいたい重なって直線を描いており、階調再現性はよい。色域はsRGBと比較して緑や赤の領域が不足しており、安価なノートPCよりは色域が広い程度だ。

 なお、前回触れた通り、GRANNOTEにはユーザーの年齢層に合わせて輝度と色温度を補正する「あわせるビュー」機能が備わっている。この設定を変更して液晶ディスプレイの表示を計測してみると、60代の設定では輝度が平均230カンデラ/平方メートルで色温度が平均7200K、70代以上の設定では平均210カンデラ/平方メートル、色温度が平均7800Kという結果だった。

 確かに年代設定を上げると、「あわせるビュー」機能により、青みが増して色温度は高くなる一方、最大輝度の設定が抑えられるのが確認できた。

 Webブラウズとテキスト入力を想定したバッテリー駆動時間テスト(BBench 1.01)も実施したところ、結果は5時間22分だった(輝度40%、満充電から残り5%で休止状態に入るまで)。JEITA 1.0測定法による公称値(10.5時間)には及ばないが、据え置き型のノートPCとしては十分なバッテリー駆動時間といえる。停電時などの電源トラブル発生時も心強いだろう。

 静音性、発熱の処理も優秀だ。低負荷時でもファンが回転していることが分かる程度の音はするが、高負荷時にあまり動作音が大きくならない。ボディの発熱は排気口がある左側面が中心だが、それ以外の部分にはほとんど伝わってこないため、パームレストに手を置いてキーボードを使っているとき、不快な熱を感じることはなかった。

●ベンチマークテストの概要

・パフォーマンステスト
・CINEBENCH R15(CPU性能評価)
・CINEBENCH R11.5(CPU性能評価)
・Crystal Disk Mark 3.0.3(ストレージ性能評価)
・PCMark 7 1.4.0(PC総合評価)
・3DMark 1.2.362(3D性能評価)
・FINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編(3D性能評価)

※Windows 8.1の電源プランは「バランス」に設定

・液晶ディスプレイ表示品質テスト
・i1Pro+i1Profilerでディスプレイの表示を実測し、ガンマ補正カーブを抜粋
・i1Proが生成したICCプロファイルをMac OS XのColorSyncユーティリティで表示し、色域をsRGB(薄いグレーで重ねた領域)と比較

※液晶ディスプレイは1時間以上オンにし、表示を安定させた状態で中央付近を測定

・バッテリー駆動時間テスト
・BBench 1.01

※電源プラン「バランス」+輝度40%固定+無線LAN接続+Bluetoothオン。BBench 1.01(海人氏・作)にて「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」と「10秒間隔でのキーストローク」、WebブラウザはInternet Explorer 11を指定し、タブブラウズはオフ。満充電の状態からバッテリー残量が残量5%で自動的に休止状態へ移行するまでの時間を計測

・騒音テスト
・騒音計で実測(本体から手前5センチ、暗騒音32デシベル、室温23度)

発熱テスト

・放射温度計でボディ表面温度を実測(室温23度)

●まとめ:「活動的なシニア」向けに説得力ある付加価値が魅力

 GRANNOTEは「PC入門者ではない活動的なシニア」をターゲットにするという、これまでにないコンセプトのPCだが、クラシカルなクラムシェルノートPCをベースとして流行の仕様を採り入れつつ、操作しやすいキーボードやマウス、ユーザーの年代に合わせたインテリジェントな自動調整機能、そして特典付きのサービスや専門ダイヤルを用意するなど、説得力のある付加価値を上乗せしており、魅力的な製品に仕上がっている。

 富士通 WEB MARTでの直販価格は通常22万6080円(税込)、7%オフクーポン適用時で21万254円(税込)だ。家庭用PCとしては高価だが、高めの基本スペックに、GRANNOTEならではの付加価値、そしてMicrosoft Office Home and Business 2013をはじめ、FMVらしい豊富なソフトウェアの付属を考慮すると、理解できる範囲にある。

 ラインアップはこの1モデルだけなので、スペックと価格の選択肢にもう少し幅がほしかったところだが、年配の方にPCのおすすめ機種を聞かれた際、安心して提案できる製品は貴重だ。島根県の出雲にある同社工場で組み上げられる“Made in Japan”モデルという点も、信頼感を与えてくれる一因となるだろう。

 また、打ち心地を追求した3ミリストロークのキーボードは、幅広いPCユーザーが興味を引かれる部分ではないだろうか。シニア世代はもちろん、そうでない世代でも一見の価値がある新コンセプトPCといえる。


[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

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2014.04.20|コメント(-)トラックバック(-)
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