
無停止型ソリューションの老舗ベンダー、Stratus Technologiesは2013年に「Software Defined Availability(SDA、ソフトウェア定義の可用性)」という構想を発表。同構想に基づく初の無停止型ソフトウェアソリューション「Stratus everRun Enterprise」を2014年3月にリリースした。ソフトウェア定義によるアプローチを展開する狙いについて最高マーケティング責任者(CMO)のナイジェル・ダッソー氏と、アジア太平洋地区担当社長の飯田晴祥氏(日本ストラタステクノロジー社長)に聞いた。
Stratusは30年以上も無停止型コンピュータを手掛けてきたことから、ハードウェアソリューションのベンダーとの印象が強い。実際にはソフトウェア製品のStratus Avanceを5年前から提供しているおり、ハードウェアベースのユーザー数とソフトウェアベースのユーザー数は、ほぼ同数だという。ダッソー氏は、「2012年に買収したMarathonの技術とStratus Avanceを統合し、無停止ソリューションをだれもが使えるようにしたい」と話す。
同社がソフトウェアベースのソリューションを採用する背景には、企業システムの仮想化/クラウド化と「モノのインターネット(IoT)」時代の到来という流れがある。
ダッソー氏によれば、まずサーバ視点で2つの潮流があるという。1つはサーバの仮想化と集約に伴って物理サーバを大量に消費するというデータセンターでの流れだ。もう1つは、ビッグデータ活用におけるエッジコンピューティングの台頭で、大量のデータをデータの発生源に近い場所で処理し、センター側へ効率的に取り込むというもの。エッジ側にもセンター並みの高いレベルの可用性が要求されるようになる。
「センター側では安い物理サーバを3年未満で使い切り、壊れたら新しいサーバに交換すればいいという感覚がある。一方でエッジ側ではセンター側ほど簡単には(費用対効果などの面から)サーバを変えづらい」(同氏)
サーバなどのハードウェアを取り巻くこうした状況に加え、システムの基盤領域ではソフトウェア定義型のソリューションが徐々に広がりつつある。さまざまな分野に無停止型ソリューションを展開するには、ソフトウェアベースのアプローチが必須というわけだ。
飯田氏は、「国内では金融や製造、医療機関、通信サービスなどの企業からソフトウェアベースのソリューションの引き合いをいただくようになった」と話す。例えば、製造企業では多種多様な大量のデータを本社と工場で処理して生産効率を向上させたいというニーズが強まり、医療機関では診療データや電子カルテなど極めて機密性の高いさまざまなデータをシステム間で確実に活用できる仕組みが求められているという。
同社がリリースしたeverRun Enterpriseは、Avanceの持つ障害予兆検知や自動ライブマイグレーションなどの特徴と、堅牢性に強みがあるMarathonのeverRunを統合することで、WindowsやLinuxによる仮想化環境や物理的に離れたサイト間で運用されるシステムの無停止を実現している。
さらにStratusは、2014年下期にeverRun Enterpriseをベースにプライベートクラウド対応ソリューションも投入する計画だ。ダッソー氏によれば、同社はOpenStackのコミュニティーにも参加し、OpenStackを用いるプライベートクラウド環境に対して高可用性を提供していくと説明する。
「OpenStackでプライベートクラウドを構築する企業は、エンタープライズアプリケーションレベルの高可用性を確保したい、クラウドへのアプリケーション移行では改修などの手間をかけたくないと考えている。われわれもOpenStackの世界に入り、そのニーズに応える」(同氏)
なお、企業のクラウド利用はハイブリッド型が主流になるとの見方がIT業界では強い。オンプレミスやプライベートクラウドと組み合わせるパブリックサービスについてダッソー氏は、「ユーザーは『データがどこにあるのか』『自分たちのデータをほかにだれが見ているのか』という疑問を持っている。この2つの問いに明確な答えが出なければ、基幹システムやそのデータを展開する企業はほとんどないだろう」と話す。
とはいえ、そうした懸念が解消されれば業界の見方が現実のものになるだろう。「もちろん、将来は複数のクラウドを利用するようになり、システムを無停止で運用することがより重要になってくる。われわれのソリューションもそれに応じて発展する」(ダッソー氏)
警察庁は19日、2013年下半期における、コミュニティサイトに起因する児童被害に関する調査結果を発表した。
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近年、出会い系サイトに起因する児童被害は減少しているが、コミュニティサイトに起因する児童被害は増加している。そのため、2013年上半期の調査に引き続き、詳細を調査したとのこと。
2013年下半期に検挙された、コミュニティサイトに起因する児童被害の福祉事犯等は945件。被疑者766人で、被害児童は695人となっており、上半期の859件より増加した(被疑者664人、被害児童598人)。
犯行動機は、「児童との性交目的」等の児童との接触目的が9割以上を占め、調査を開始した2010年以降、9割前後の高い割合で推移している。サイト上で被害児童と知り合ってから犯行に及ぶまでの日数は、「当日または翌日」の割合が増加し、調査を開始した2010年以降、初めて2割を超えた。
またアクセス手段としては、携帯電話(スマートフォンを含む)を使った事犯が9割以上を占め、そのうちスマートフォンを利用した事犯は673件(携帯電話を使った事犯の約8割)となり、調査を開始した2010年以降、もっとも多くなったという。
これは被害児童も同様で、アクセス手段として携帯電話(スマートフォンを含む)を使った事犯が9割以上を占め、そのうちスマートフォンを利用して被害に遭った児童数は467人(携帯電話を使った事犯の7割以上)となり、調査を開始した2010年以降、もっとも多くなった。
なお、サイト利用について保護者から注意を受けていない被害児童が約6割を占め、調査を開始した2010年以降、保護者から注意を受けていない児童数が過半数となっている。また、フィルタリング未加入の被害児童が9割以上を占め、調査を開始した2010年以降、9割前後の高い割合で推移している。
日本ヒューレット・パッカードは5月19日、個人向け夏モデルPCを発表した。タブレットとしても使用できるノートPC「Pavilion x360」や3万円台のモバイルノートPC「Pavilion 10」などがラインアップする。
Pavilion x360は、360度回転する11.6インチディスプレイを搭載した。通常のスタイルで使える「ノートブックモード」、タッチディスプレイを適した角度に回転させて使用する「スタンドモード」と「テントモード」、360度回転させて使用する「タブレットモード」の4つのスタイルに対応。動画視聴や省スペースで使いたい時などさまざまなシーンで活用できる。ディスプレイを回転させるヒンジ部は、開発段階で4万5000回の開閉テストを行い、耐久性を確認しているという。
デザインはレッドカラーのトップカバーと底面に、なめらかな質感で指紋のつきにくいソフトタッチペイントを施し、パームレストには高級感のあるつや消しのアルミニウム合金を使用した。また、ノートブックモード以外では自動的に無効化し誤入力を防ぐ浮き石型キーボード、側面に配置した電源ボタンや音量ボタンなど、美しさと使いやすさを追求した筐体デザインとなっている。
本体底面の前方にはBeats Audioに対応したデュアルスピーカを搭載し、重低音の迫力サウンドを楽しめるとしている。市場想定価格は税抜で6万5千円前後、5月下旬に発売する。
重さ約1.1kg、厚さ約22mmのモバイルノート、3万3800円から
Pavilion 10は、HP Directplus価格で税抜3万3800円~とコストパフォーマンスを追求したモバイルノートPCだ。5月下旬に発売する。重さ約1.1kg、厚さ約22mmの軽量コンパクトボディに、省電力で低発熱のデュアルコアのAMD A4-1200 APUを採用した。
冷却ファンを搭載しない構造で、静音性に優れている。また10.1インチワイドHD非光沢ディスプレイや浮き石型キーボードを採用し、長時間のテキスト入力などの際にも快適な操作環境を提供。トップカバー、パームレスト、底面は、指紋がつきにくいテクスチャーデザインだ。USB3.0など各種ポートの拡張性も備え、サブPCとして、自宅でも外出先でも気軽に持ち運んで使える。
最新のWindows 8.1 Updateを適用--デスクトップPC
デスクトップPCは、搭載プロセッサの更新や、最新のWindows 8.1 Updateを適用し、基本性能の強化を図った。いずれも発売は5月19日。
東京生産のフルカスタマイズに対応するハイエンドミニタワーPC「HP ENVY 700」(8万9800円~)は、搭載プロセッサをインテル Core i5-4590/i7-4790に更新し、選択可能なグラフィックスにNVIDIA GeForce GTX770を加えた。
コストパフォーマンスの高いミニタワーPC「HP Pavilion 500」(4万9800円~)と、幅 約10cmの省スペースな筐体を採用したスリムタイプの「HP Pavilion Slimline 400」(4万9800円~)は、搭載プロセッサをインテル Core i5-4460/i7-4790に更新、21.5インチ/タッチ搭載のオールインワンPC「HP Pavilion 22-h140jp/CT TouchSmart」(6万9800円~)は、搭載プロセッサをインテル Core i5-4590Tに更新した。
また、タッチでもマウス操作でも Windows OS をさらに便利に、使いやすくするためのさまざまな新機能を追加したWindows 8.1 Updateを、「HP ENVY Phoenix 810-290jp/CT」(13万9800円~)をはじめとする全てのデスクトップPC(オールインワンPCを除く)に採用している。